

「この家、なんかいい」って言われる写真のつくり方
SNSやホームページで住宅写真を発信していて、
「構図もきれい、明るさもバッチリ。でも、なぜか反応が薄い…」
そんな経験はありませんか?
一方で、どこか生活感がありながらも、見る人から「この家、なんかいいね」と言われる写真もあります。
その差は、写真の“技術”ではなく、感情に届くかどうかにあります。
今回は、そんな“なんかいい”と思わせる住宅写真のつくり方について解説します。
■ 「なんかいい」は“心の温度”が伝わっている写真
“なんかいい”と思う瞬間には、言葉では言い表せない感情が動いています。
例えば、
・朝の光が優しく差し込むダイニング
・家族の気配を感じるリビングの片隅
・生活の匂いがほのかに感じられるキッチン
これらに共通しているのは、「暮らしの空気」が写真に写っていることです。
ただの美しい空間ではなく、「ここで誰かがどんな風に暮らしているのか」がふと想像できるような一枚――
それが“なんかいい”と感じさせる要素です。
■ 「映える」ではなく「感じる」写真にするには?
① 撮りすぎない、整えすぎない
完璧に整ったモデルルームのような写真も素敵ですが、それだけでは“現実味”が遠くなります。
少し生活感のある小物や、使いかけの本、マグカップ一つあるだけで、見る人の想像力がふくらむ写真になります。
② 光の時間帯を選ぶ
特に住宅写真で大事なのは「光」。
朝のやわらかい光、夕方のオレンジがかった影――
時間帯を選んで撮影するだけで、写真に温度感が加わります。
③ 目線を少しだけ“生活者”に寄せる
撮る角度を「住む人の視線」に近づけることで、共感度は一気に高まります。
低めの目線で撮ったソファ周辺、キッチン越しに見える家族の空間…
日常の中にある“自分事”を感じさせる視点がポイントです。
■ キャプションで「なんかいい」を言語化する
写真だけでも感情は動きますが、ひと言添えることで“伝わる”写真に変わります。
たとえば:
「朝はこの窓から光が差し込んできます」
「子どもの声が響くこの吹き抜けが、家族のお気に入り」
「あえて余白をつくった土間スペース。何もない時間が心地いい場所に」
言葉と写真が重なることで、より印象が深まります。
■ おわりに
“なんかいい”写真に必要なのは、テクニックよりも「暮らしへのまなざし」です。
きれいに撮ろうとする前に、「この家の、いちばん好きな瞬間ってどこだろう?」と自分に問いかけてみてください。
その視点から切り取った写真は、きっと誰かの心に残ります。
そしてそれが、「この家、なんかいいですね」と言ってもらえる一枚になるはずです。